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Fab cityコンソーシアム 第6回 2014.10.23
10月23日に第6回Fab cityコンソーシアムが開催された。前半は筧先生によるインタラクティブ・ファブリケーションについての事例が紹介された。後半は、企業の進めているプロジェクトの検討が行われた。
インタラクティブ・ファブリケーションの紹介<筧康明>
デジタルファブリケーションの研究においては、3Dプリンタなどのマシンが持つ可能性に関する研究が先行しており、人とデジタル工作機器の関係性はまだ発展途上である。インタラクティブ・ファブリケーションという言葉は、まだはっきりと定義付けされておらず一般には浸透していないが、学会では注目を集める分野になりつつある。
従来のデジタルファブリケーションはインプットデバイスで設計を行いアウトプットデバイスで出力するという一方向性が強い作り方になっている。そのため各フェーズに時間的・空間的乖離があり、人に返ってくるものが少ないという問題点がある。インタラクティブ・ファブリケーションではインプットシステムを直感的に操る事が可能になり、アウトプットも一方向ではなく相互作用性が製造過程に取り入れられる。
インタラクティブ・ファブリケーションは主に以下の3つの特徴を持っている。
1)直感的に操作可能なデジタル工作機械
人がファブリケーションプロセスに直接介入することを可能にすることで対話的にモノづくりが出来るようになる。Mixfabやcutterは人が手を動かして作ったものをデジタルデータに変換し、そのデータを3Dプリンタで出力することが出来る。今後は粘土を手でこねるように、手で加工したものがそのままデジタルデータになり出力されることが期待される。
2)手仕事の拡張と機械仕事の効率化
人と造形物の関係性を改善し最終的な作品に介入するようになる。また、3Dプリンタの時間的問題を解決し、プロトタイピングの質を上げる。faBrickationやwireprintは制作において確認したいチェックポイント以外をレゴブロックや、ワイヤーでラフに作っていく。一部分を確認するためだけに何度も全体を出力する手間を省くことが出来るので、プロトタイピングによる思考速度を上げることができるようになる。
3)創造性の支援
人と機械とのインタラクティブな関係により人の手仕事を支援したり拡張するためのハイブリッドクラフトという考え方が出て来ている。freeDやde pendはコンピュータで設定したある程度の正確さを、人の手で自由に逸脱することが出来る。緩やかな制約の中でクリエーションが展開されるハイブリッドクラフトによって、新しい造形デザインの出現が期待されている。また、伝統工芸の伝承など教育的活用も考えられている。
プロジェクトの検討
微地形模型にプロジェクションマッピングして行うワークショップの進捗が報告されたことに加えて、新たにドローンの活用や公共工事に3Dプリンタを活用するプロジェクトの検討が行われた。
現在、公共空間で「空」の領域はあまり活用されていない。そこで、最近話題の新しい技術であるドローンを有効に活用する方法を検討した。現在ある利用法として火災救助などの「見る系」や、農薬散布などの「作業系」、Amazonが行っているような「運ぶ系」など様々な活用法がある。今後はみなとみらいでの活用法を考えていくと同時に、ドローンを飛ばすために何が必要なのかも検討していく。
もう一つの新たなプロジェクトについては、「デジタルテクノロジーで少し直す」というサービスについての検討が行われた。長野県栄村では公共工事を材料だけ渡して、住民に工事をしてもらうという事例がある。これを発展させ、壊れた箇所をスキャンし、新たに3Dプリンタで出力したもので修理するのだ。プロがお金をかけるのではなく、テクノロジーでアシストすることで素人が自分達の手で「少し直す」未来についての可能性を議論した。
最後にコンソーシアムの展望として、議論だけでなく市民の声を集約するプラットフォームを作ることの必要性が話題に上った。ものをつくることを実践する現場感や、高齢化エリアの声から新たなニーズを得るためにも、市民が参画できる場を作ることが提案された。