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Fab city コンソーシアム 第3 2014.07.17

717日に第3Fab cityコンソーシアムが開催された。 田中浩也先生と、Fablab鎌倉の渡辺ゆうかさんからFAB10の報告と内容が共有された。その後、前回の宿題である「FABでしか行けない先はどこか」「何を移動させる(移動させない)と誰がうれしいか」「自分の力とSFCの力をあわせて何をFABしたいか」の発表が行われた。

 

 

FAB10報告 <田中浩也>

 

 

バルセロナでは市内のそれぞれの区域の中に一つのFablabをつくる計画が始められている。今回FAB10ではFabcityというコンセプトを軸に開催され、現在ある複数の会場を移動しながら行われた。

 

バルセロナに点在しているFablabは、大学内や、市役所、民間が運営するもの、山岳地方などで特色が分けられ、それぞれ系統の異なるFablabを作ることが目指されている。

このような街づくりはシティーアーキテクトによって方針づけられる。バルセロナ市の各部署のチーフを民間から引き入れ、3年間の任期中に市の中で強いリーダーシップを発揮して提案を行うことが出来る。

今期のシティーアーキテクトの町づくりに関する提案書であるBarcelona5.0では現在のバルセロナ市が抱える問題の中から、「欲しいものがあれば中国の工場で作られたものを輸入し、短期間で捨てられてしまう」ということに定め、この状況をITによって変えていくことを目指している。具体的にはエネルギー、物、食料の50%を自給することを40年後の目標としている。

カタルーニャ先端建築大学院大学(IAAC)で作られた2007年ヨーロッパ最初のFablabは古い造船所を改修して作られた。ここでつくられるものは建築スケールのものが主だが、こうした建築を学ぶと同時にセンサーやネットワークの研究も行い、アーバンシステムといった情報システムの研究も行われている。大学の活動としては、太陽の動きに合わせて傾きを変えるソーラーパネルが設置されたソーラーハウスを港に作るなど環境循環型の建築が行われている。

さらにモビリティに関しては、スケートボード、路面電車、自転車などゆっくりとした移動を楽しめる仕掛けを街に作ることが試みられている。また、自給自足の生活を人々が送るためにFablabが設置されており、その中には市民に対し完全にオープンな公共施設としてのFablabもあった。

Green Fablabという山の上にあるFablabでは林業とFablabが掛け合わせられ周りの木を材料にしたり、鶏の飼育を行うなど、自給自足に関する様々な試みが行われていた。

 

そして、もう1つ今年の特徴としてあげられるのが市内にあるデザインラボである。大半のデザイン事務所が3Dプリンタを所有しており、それらを用いたワークショップが同時多発的に開かれていた。

例えば、フレームと動力の作り方がオープンにしてあるオープンソースビークルという電気自動車の座席と乗客空間部分をショップボットを用いて自分で作るというワークショップが開かれていた。

 

その他、バルセロナ市の方針として小さいベンチャーが新たな実験をしやすいような街づくりの奨励や、国際企業のヨーロッパ支部をバルセロナに集中させるための取り組みも行われていた。

 

 

渡辺ゆうかさん(Fablab鎌倉)のFAB10報告

 

 

FAB10では様々なセッションが数多く用意されていて、プログラム外でも盛んに行われていたので自分でセッションを探しにいくという状況であった。スリッパを作るワークショップでは皮革職人の手元がレコーディングされていて、職人の技術とテクノロジーとが一体化した新しい作り方を提供していた。

今回、日本が用意したワークショップでは会津若松の職人と協力して、3Dプリントした赤べこに水だけで紙ばりをするという内容を行った。成果としては、使われていたマテリアル自体に興味を持ってもらえたので、日本の技術だけでなく素材の扱い方に関心を持ってもらえることがわかった。また、日本のFablab間での連携はこれまでなかったが、海外に向けた取り組みをするときに協力することで力を発揮できることがわかった。

 

会場のGreen Fablab(Valldaura)はもともと修道院で個人使用物件だった。行われている取り組みとしてはキノコの菌を植えて栽培したり、環境に優しいインクをバクテリアから作っていたり、苔で発電を行うなどアグリカルチャーとテクノロジーの融合による新しいプロダクトシティに向けた実験が行われていた。また、地下にはマテリアルライブラリがあり、素材の扱い方に関する知識次第で作るものが変わると考えられる。

 

Fablabは世50600箇所あり増え続けているがFab Academyで教育を受けた卒業生がFablabを開くことで質が担保されていく流れが存在している。日本では3人がこのプログラムを卒業している。

こうした大人用のプログラムがある一方で、これからのイノベーションを起こしていくための教育として子供向けのプログラムについても毎年議論が更新されている。子供用の教育プログラム であるFAB Foundation2013年に設立され、ラーニングプログラムのブラッシュアップがされていて教育を受けた生徒は実際に成果が出て来ているという発表もされている。

 

来年のFAB11MITで行われる予定で、FAB12は上海で行われることが決定された。

 

 

企業の宿題発表

 

 

前回の宿題である「FABでしか行けない所はどこか」「何を移動させるとだれにとって良いか」「SFCの力と合わせて何をしたいか」について参加企業からプレゼンしてもらい、そこから様々な議論が行われた。

例えば、材料調達のための場所として材料調達のための場所としてのホームセンターや、近くて便利なコンビニのような場所が検討された。さらにこのような場所がFab busにより近くにやって来るという未来も想定できる。また、既存の遠くて便利な場所が近くにやって来ることも想定された。そこで一般の人が「FABしたい」という思いになるには、カメラ屋のメタファーから、頻度多く自分で出来るための環境が重要なのではないかという提言があった。

別の議論では、コンビニと比べてFablabは距離的に近くなったとしても感覚的に距離感があるため、廃校にFablabの機能を載せて地域コミュニティを作り身近な場所にする必要があるという指摘もあった。さらに、来る少子高齢化社会に向けて横浜市のコンパクトシティ構想を成り立たせるために、公共サービスの施設を維持することが出来なくなったとしてもサービスを提供し続けるための仕組みを考える必要性が唱えられた。

 

以上のような議論からSFCと協力して横浜市のFab Mobiility Mapや人口データを3Dに反映した模型を作成し、横浜市の公共サービスや観光業に新しい視点を与えるための試みをしたいという意見があった。一方で、パーソナルなものを作ることでFAB社会を実体験し、そこから新しいビジネスモデルにつなげていきたいという方もいた。

 

 

夏の活動・宿題、秋からの活動

 

Fabcityコンソーシアムではコトだけではなくモノを作る必要があり実際に体験する必要がある。そこで9/139/14に夏合宿ワークショップ行うい多様なマシンの基本的な使い方を会得する。

 

宿題は夏休みにフリーソフトウェアの123Ddesignの使い方を覚えること。使い方に関する質問があれば、Fablab関内やFablab鎌倉でも教わることができる。

 

 

来期の日程は9/2510/910/23 、11/1312/111/151/29を予定。

時間は18:30から開催される。

 

秋学期からは実際にビジネスモデルの制作や、プロトタイピングを行う。

学生を実装部隊として頼みにせず、大部分が自分で出来るようになることがFAB社会への展望を実感することにつながると思われる。また、コンサルティング提案に際して、ビジネスモデルだけでは心もとないので動画や作品がある状況にしたい。