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Fab city コンソーシアム 第5回 2014.10.09
10月9日に第5回Fab cityコンソーシアムが開催された。前半は水野先生からFablab環境を活かすためのデザイン思考についての話があり、後半はコンソーシアム内から生まれたプロジェクトの進捗報告が行われた。
Fablabとデザイン思考<水野大二郎>
単に企業に3Dプリンタを導入するだけの状態では何を作るのかという問題がある。また、Fablabは存在するだけでは不十分でありアイディエーションのプロセスにドッキングしなければ組織を創造的に改革することが出来ない。このような問題は日本の企業に共通する問題であり閉塞感を生んでいる。そこで、たくさんの成功や失敗から学びを得て次のステップに進むLow-Fidelityのラピッドプロトタイピングを導入する事が重要である。この点においてデジタルファブリケーションは非常に有効であり、モノをつくる方法が変わることでモノをつくるカルチャー自体が変化する事が期待される。
デザインには定式解が存在しないことを前提にして考える必要がある。現代は問題が複雑化しているので多様な人とのコラボレーションによる設計が増えている。また、HCDやHCIなどコンピュータと自分の関係性の重要性が増しているため物だけ作っていては不十分でありでインタラクションや経験といったデザインの対象領域が広がった。さらにデザイン領域は拡大し、iPhoneに見られるようにアプリやサービスなど単体の製品の設計だけでなくひも付けされるサービス全体の設計も重要になった。その上にはクリエイティブコモンズライセンスやビットコインなどの法制度についての話も関連して来る。デザインが担う領域が広がって来ている一方で、法制度などを考える人もデザインの重要性に気付き始め、同じような領域で出会っているのが今日の状況といえる。そのような状況で、デザイン思考とデジタルファブリケーションが出会った時になにが求められるのかを考える必要がある。
デザインの前段階として、デザインの対象となるissueを設定するリサーチが重要になる。その際ステークホルダーとの協働が前提となり、特にエクストリームユーザーの経験を一緒に体験する事がいろいろな人が使いやすいデザインのためのマルチプルシナリオを考える事につながる。issueを設定する際は他の人との関わり白を持たせた方がはみ出る面白さが出るため、いかにゆるくissueを作れるかが肝となるのだ。
日本企業のプロトタイピングはVerticalでHi-Fidelityなものであり、「確認・確定」のために行われる。しかし、デザイン思考において重要になるのはHorizontalでLow-Fidelityなプロトタイピングだ。プロトタイピングにデジタルファブリケーションを用いれば段ボールなどで実寸代のオブジェクトを作り、その中でボディストーミングする事が出来る。そこでは、これまで消費者やクライアントだった人たちがCo-Designerとして協働することが期待される。
企業プロジェクトの進捗
Shopbotで切削した横浜市内の微地形模型にオープンデータマッピングを投影するワークショップが計画されている。地域のデータを可視化する事で地域の過去・現在・未来をフィジカルに実感してもらい住民が地域の本当の姿に気付くきっかけにしてもらうことを目的にしている。今学期中に開催することが目標でワークショップ設計は模型を中心に行い、結果をさらにログとしてフィジカル化し再マッピングしていく予定である。
別参加者の方のプロジェクトでは、一般の人が学ぶ機会の無い体の構造を知るための学習プログラムを開催している。骨の中には時間の経過など、おもしろい情報が見られるので大人の理科の時間としてモデリングした骨の模型をプレゼントしたいと考えている。
昨年から続くFabbusプロジェクトの報告も行われた。中古のバスでFabbusを行う事を考えていて旭区が移動型公共空間に興味を持っているので協力できるかもしれない。旭区は高齢化が進んでいてバスにも乗らない人が多い一方で、セカンドライフとして参加したいアクティブシニアがいるので研究会の開催を持ちかけたいと考えている。
今後のコンソーシアムではモバイルなFablabの運営方法や議事録のデータ可視化などの利用法を考えるなど具体的なプロジェクトを始めて、コンソーシアムでは知見を共有し活す場にしていくことが期待される。