HOLE CHAIR

This is a chair that has a space to store baggages, which also functions as the back of the chair.
Small things can be tuck from the front, and big baggages can be put from the back of the chair.Also, the back side has a certain amount of width so that you can put things on there too. When you sit sideways on the chair, the back side functions as an armrest. The tunnel part can be a bed for your pet who likes holes, or a play equipment for small children.This chair is a chair which can adapt to various scenes in life.

Maker's Portfolio

受動的消費者から能動的生活者への変化過程

Q : どんな"X"を作ろうとしたのか?

A : 背もたれのある普通の椅子よりも、シンプルな形状の丸イスが好きだった。気軽に持ち運んで、好きな場所で座れるからだろう。自分で作る椅子なのだから、自分が座りたくなるような形状の物が良いと思った。


Q : コンセプトは?

A :「椅子の脚」と「動物の脚」。「椅子の隙間」と「動物の口」をオーバラップさせた、生き物らしさを感じられる椅子。


Q : デザインプロセス

A :「丸イス」をテーマに既存のもののコピーから始め、デジタル・ファブリケーションらしさを活かせる設計とは何か考えながらマイナーチェンジを繰り返した。プロトタイピングの中で得られた構造の一部からイメージがわき、最終的なデザインが完成した。


Q : 工夫したポイントは?

A : 携帯電話やメモ帳などの私物をなくしがちなので、収納が一体化した構造が欲しかった。そこで座面の下にもう一枚層を設け、留め具や脚で貫いて固定することにした。


Q : 工夫したポイントをどのように設計したか?

A : 収納のための隙間が生き物の口に見えるよう、全体の設計を改めた。


Q : "X"が使われる想定シーンは?

A : 見た目に惹かれた人が利用していくうち、収納機能に気付き便利だと感じるようになる。その後、足や背もたれのパーツを自分好みの形状で切り出し、より愛着のある椅子として長く愛用されていく。


Q : プロトタイピングのワークフロー

A : 収納の実験 → 柱構造の実験1 → 柱構造の実験2 → 最終形


Q : プロトタイプからどのような発見を得たか?また、その発見からどのような変更を行ったか?

A : 2つ目のプロトタイプでは、4本しか骨を入れていなかったので簡単につぶれてしまった。骨の数を増やすとともに、反対方向に傾斜した骨を足すことで、強度は飛躍的に増大した。互い違いの向きで骨を渡せば強度が増すことが分かったので、完成品の脚の構造として採用することとした。前後にのびる脚の形から動物らしさのイメージが生まれ、最終的なコンセプトに強く影響することとなった。

Q : "X"を作ってみて新たに発見したことは?

A : 実際に座れる物を作るという機能的な制約が、自ずとクオリティの向上につながっていたこと。工作機械によってモノを作ることは容易になったが、モノづくりが自分のためである以上、外的な制約が無いので妥協も簡単に出来てしまう。座れるという条件が、「とりあえず」という妥協を取り払い、完成度の向上に繋がったのだと思う。


Q : 次に何かを作るなら何を作りたいか?

A : 家具スケールの物が作れることが分かったので、自分の持つ本のサイズにあった本棚を作ってみたい。


Q : 次に何かを作る際に気を付けようと思うことは?

A : 素材の加工や仕上げ。他の受講生のヤスリがけや塗装への努力と、その結果を見て感心した。

質問 : 岡村製作所

Yoshihiro Asano

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス