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Fab city コンソーシアム 第22014.06.19

619日第2Fab cityコンソーシアムが開催された。冒頭にFab cityコンソーシアムに関連する話題が全体に共有され、先週の宿題である「移動×FAB」でやりたいことを、各企業に「移動」の定義を考えた上で発表が行われ、教員による総括があった。各企業の「移動」の定義付けは企業にとってのFABのメリットやモノの「移動」から情報の「移動」といった多様なスケールで意味付けられ、会社としてどこに関わり白があるかが話された。

 

 

イントロダクション

 

去年お台場で開催されたメーカーフェアが今年はホワイトハウスで開催された。日本からはオバマ大統領の顔がついたスリッパが送られた。またヨーロッパを中心に、アメリカ、上海などが参加するFabjamも開かれ、各Fablabがビデオ中継でだされたテーマに対し作ったものが発表された。今年はのテーマはMobilityで瓶ケースでつくられたスクーターやアーバンアプリケーションという公園の柵に引っ掛けてテーブルにできるものなどがあった。これらは商品化を狙っているものから面白半分でつくられているものまで様々ある。また主催者は独自のナビや輸送するものを付けて面白いものがつくられていくことを期待して、Fabcar(電気自動車)の設計図をオープンにした。来週はスペインでFAB10が開かれ予定である。バルセロナでは市がセンシングをする町づくりを行っている。市民が街の情報を集めデータを可視化が求められる。ファブシティコンソーシアムの方向性として、何かを配って使ってもらうことを先行させて、その後に付加価値を付けるということを考えていきたい。従って、次のフェーズからは作って配ってみることを行う予定である。

 

 

「移動×FAB」に何が可能か

 

岡部先生

コーヒーではカフェと家の間がコンビニに当たり近くて便利だが、モノづくりではそのような中間的な場所がまだ出て来ていない。また、モノづくりにはそもそも両端が無いので、その中間も見つけづらい。普段生活する中では、仕事場と家の間の場所が近くて便利に利用できるかもしれない。またMobilityの「流動性」という意味に注目するとコミュニティの形成や人に関する事例と関連させ、固定型の組織よりもネットワーク型で自立分散型のMobilityを考えていくことができるかもしれない。このようなことをFABと絡めて考えていき、人のコミュニティに起きている変化をビジネスにつなげていく方法を考える。

 

加藤先生

コストや、利便性の面から考えると移動の概念と結びつけやすい。移動という言葉をイメージすると「手段としての移動」が多い。

全国の家庭にセブンイレブンのおでんが提供されると、お母さんは何をするのか、味はおいしいけれど、本当にそれだけでいいのかという問題がある。これを移動に置き換えると、人々のこれまでの生活のどこを変えていくべきなのかという問題が考えられる。近くて便利が始まっているが本当にそれだけでいいのだろうか。わざわざコストを掛けた移動が考えられるのではないか。

大学がどのような存在になるかという問題も議論すべき課題である。ほとんどのことがインターネットを通して出来てしまう状況で大学は何をするべきかと考えると、巨大な倉庫や図書館、セレモニーホールなどに利用することが出来るかもしれない。これからは、教室の機能はFablabや駐車場、セブンイレブンなどに取って代わられていくかもしれない。普段は近くて便利な場所で用を済ますが、たまにわざわざ出かけるための場所として大学が変わっていくかもしれない。素材のライブラリーや作品の収蔵庫としてりようしたり、作品を共有する場所として機能が変わっていくのだ。このように街の機能が変わって来ると、人々の暮らし方も変わるかもしれない。

もっと近い距離を考えたときに、家の両隣のようなご近所感覚で素材やエネルギーを分けあうことがありえる。近所の関係を深めていくとそれがソーシャルキャピタルとしていざというときに機能することが期待できる。そのような関係をどのように築いていけるかを考えていく必要がある。

 

 

教員と企業との議論のまとめ

 

低コスト競争は文化的に豊かではないが高コスト低利便性に価値を持たせ、人の暮らしを豊かにすることが出来るかもしれない。その際、場所によって価値の提示の仕方が異なるだろう。全部が全部、利便性を追求したりコストを重視するのでは無くコンビニにも行くし、たまに出かけることもある。それらは状況によって使い分けられるだろう。従って、Fablabの便利であるポイントが近くて便利という社会像が出来て来るかもしれない。

 

例えば、かつて電話を近所に借りに行く風景があった。このタイプのコミュニケーションがFabcityでは復活するかもしれない。高コストで利便性が低いが心が豊かになる生活をFABと掛け合わせて目指していけると幸せな街づくりになる。また、そうした社会において防災の面でも経済的にも近所の関係は役立つ。mozbusは災害時などの応急処置としては機能するが、リアリティのある支援としてモノづくりの経験をシェアする形が近所付き合いを通して行われるかもしれない。

 

しかし、昔の電話は玄関にあって気軽に近所付き合いがされていたが、今の社会でどうやって地域コミュニティに入るかが課題になるだろう。例えば、住宅地では無くてもキャンプではみんな優しいし、シェアのコミュニティがある。みんなが少し足りない状況で助け合うという山小屋的モデルが作れるかもしれない。また、ホストとゲストの関係が崩れて混ざった「ホゲスト」という考え方がある。Fablabのような場所では「包摂される人」、「する人」ではなくお互いがその場を構成する役割を果たし、それぞれの役割や関係が入り組んでいる。

 

また、昔の印刷業者は会社の拠点を巡回すると同時に伝書鳩的に物流、情報交換の役割を果たしていたのFab busの活動もこの話に接続することが可能。巡回することで副次的コミュニティが形成され、情報やモノのやり取りが起こるかもしれない。回遊するサービスの設計はで副次的コミュニティの形成を前提にしていくべきなのかもしれない。ヤクルトレディが一人暮らしの病人を救うということがあったように、既に循環しているものから副次的コミュニティが発生することはある。

 

昔はコミュニティが先にあってモノが後からついてきた。しかし今はモノが先にあるのでコミュニケーションの理由が無い。そのためきっかけが無いとつながらない。運動会やキャンプなど助け合う理由があると出て行くきっかけになる。出来上がる姿は似ているが生成される過程が異なる。従って、インフラが先にあるだけでは意味が無い。インフラの上に技術が無ければならない。FABで作った何かによってインフラが維持されるし、人が集まるという状況が作れると良い。現代はコミュニティが無いので地域主導(小学校など)やコンテンツ主導(コスプレなど)でつながっていくのか。

 

 

 

振り返り

 

 

FAB的」という定義が曖昧なキーワードが飛び交う面白さがあった。議論の流れとしてはロジカルな効率化の追求からは出てこない人間的余剰である生き甲斐や精神的豊かさといういかようにも解釈できるテーマが多く話題にでた。Fablab鎌倉のように従来の効率化では説明できない人間の新しい欲望に焦点を当て、従来のモデルの逆をいく活動が見られる。アクティブシニアの中にはお金を払ってでも先生になって授業してみたいという人もおり、従来のモデルからはみ出ていて説明できないモデルを広げていければ面白くなるかもしれない。

 

 

次回7/17

FAB10の報告

バルセロナ市内Fablabのネットワークによる地産地消モデGreen Fablabの取り組み、Fabcafe Barcelonaがどう機能しているのかなどが紹介される

 

宿題

FABでしか行けない移動先はどこか

  異動先のヒューマンスケールを想定する

  多様なスケールが想定される(10mから20キロ)

  ステークホルダーが変わると作るものが変わって来る

  現実的に作れるものは?

・何を移動させる(させない)と誰がうれしいのか

  かつて移動していたものの痕跡

  ステークホルダーの違い

・自分の力とSFCの力を合わせて何をFABしたいのか

  企業のリソースとFablabを合わせてなにをするか