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Fabcity コンソーシアム 第1 2014.06.05

65日に第1Fabcityコンソーシアムが開催された。まず、今後のコンソーシアムの方向性を決めるため、企業がFabcityコンソーシアムに関する問題意識と期待することを各企業からプレゼンテーションが行われた。そして、日本に点在する各地のFablabがどのような地域的特色を持つかの説明と、それぞれの企業に学生が混じり「FAB×移動」に関してやってみたいこと、どこまでやりたいのか、企業として何持ち帰りたいのかが議論され、Fablabにおかれる機材のソフトウェアの統一から町づくりまでスケールの広い発表がなされた。

 

 

日本の事例からFablabの問題を考える

 

それぞれのFablabの運営、Fablab間での連携、地域での在り方がどのような現状で、どのような可能性を持っているかを分析することでFabcityへの接続が検討された。Fablabは社会を大きく変える可能性を持つ。デジタル工作機器が安価になり、製造業に携わる人以外でもそれらの機械を使うことが出来るようなった。今までものを作って来なかった人も作り始め、新しい活動を見つけ出していくことで社会が変わり、国際開発・国際協力、教育、街づくり、研究開発、ビジネス、アートなど多面的であり、Fablabの可能性が問われている。

例えば、インドのFablabではものが買えない人たちが自分たちの生活に必要なものを作っている。ボストンではガーナのコミュニティにFablabがあり、お金がなくて学校に行けない子供達を受け入れる先生不在のコミュニティスクールの役割を果たして自発的な学びの場になっており、さらにそこで作られたものを売ることで利益を得ることもできる。他にもFablabには義足や義手などマイノリティの人が自分たちに必要なものをつくるという、大量生産ではできないパーソナルなものづくりができるという側面もあるだろう。

 

他方、日本にある様々なFablabは地域の中でどのような役割を果たしているのかについても紹介された。

 

Fablab鎌倉

2011年に設立された日本最初のFablabであり、田中浩也が自己資金で設立した施設である。コミュニティを作ることを目的にし、鎌倉にいるアナログの職人さんとデジタル技術のコラボレーションすることにより生まれる新しいものづくりの方法の実験が試みられている。また、子供向けデジタルファブリケーションの教科書づくりも行われている。そして、通りに面しているためアクセスによるコミュニティセンターの役割を果たしている。さらに、ここで作られたものをiichiEtsyなどの手工芸のマーケットサイトに出品し販売するクリエータが現れ、カマコンバレーの製品がamazon12000個売れるなどビジネス的成功事例も出てきている。

 

Fablab筑波

筑波大学の博士が独自の資金で自分のベンチャー会社の事務所として利用しており、日曜日のみFablabが運営されている。ここでは機材を提供しながら情報を公開し、コミュニティとしての役割を果たしている。

 

Fablab渋谷

co–labというオフィスを運営しており、フリーのクリエータやアーティスト、プログラマ、建築家などがいて、その中にデジタルファブリケーション工房を構えている。週1日一般にも解放される。また、渋谷LOFTに「&Fab」がオープンしそこの運営も行っている。LOFTに売られている大量生産品をカスタマイズしパーソナライズすることが出来るのが特徴だ。

 

Fablab北加賀屋

大阪の旧工業地帯で行われている北加賀屋クリエイティブ・ビレッジ構想の一環として、大家さんが安く貸してくれ、機材も購入してくれる代わりに家賃を払うという運営方式が取られている。30代の利用者がメインで集まりコミュニティとしての役割を果たしている。

 

Fablab仙台

仙台市の緊急雇用対策の一環として設立される自治体のサービスとして行われている。資金も仙台市が負担している。週5日解放され、仙台市の公共的な取り組みが行われている。公共サービスは1年ごとの更新で、2年目に突入した。自治体から支援されているFablabのリスクはその支援が途切れたときにFablab自体も終わってしまうのかが問題点。自立するためのビジネスを用意できているかが重要になる。3Dプリンタを使ったビジネスの成功例として、モリタ管楽器の楽器修繕サービスはパーソナルなサービスを提供することができている。

 

Fablab関内

横浜コミュニティデザイン・ラボが支援を行い、市民ベースに運営されている。個人会員には企業の人が多く、新しい可能性を探っている。

 

Fablab太宰府

ホームセンターと電子工作機械の会社が運営している。最近のホームセンターが日用品しか買ってもらえず、材木を買ってもらえないという問題意識からFablabを作ることで再びDIYをする人が増え、ホームセンターの木材が売れるようにしようという試みから生まれた。そして、既製品を買うだけではないホームセンター本来の姿を取り戻すことができるのではないかというビジネス的にも新しい形の運営方式を取っている。

 

 

以上で紹介されたFablabと「移動」をどう関連づけていくかを考えていく。Fablabを移動先ととらえるか、移動のための結節点としてとらえるかとそれぞれ考えたときに、Fablab間でどのような移動が可能になるか。あるいは、行った先で何をするのかという話につながる。また、各Fablabの結節を深めていく上で、ラボ同士の競争による地域色を持ったソリューションの創出が試みられるFabjamなどのイベント通して、ナレッジを共有し、コミュニティからアソシエーションにつなげていった上で、より力強い連携のためにどうするかを検討していく。問題点として、ベースを自治体、市民、個人のどこに置くかよる運営の違いはあるが、いずれにしてももの作りを可能にする支援環境としてのFablabの維持可能性が問われている。その参加の動機付けを移動という観点から考えることが出来るかもしれない。

 

 

次回6/19

 

宿題

・「移動×FAB」でやってみたいこと、自分の興味を踏まえた「移動」の定義付け

・「移動」の概念を定義付けをふまえ、興味にあったアプローチが何かを考える